みやぎ復興ツーリズムガイド

石ノ森萬画館を通して元気・勇気・夢を与えたい

街の声・笑顔 ~石ノ森萬画館 大森課長インタビュー~

この石巻のこの地から、たくさんの
元気・勇気・夢を与えられるようにしたい

石ノ森萬画館の指定管理者で(株)街づくりまんぼうの課長である大森盛太郎さんに、震災当時の状況や再開を控えている萬画館の今の状況などインタビューを行いました。大森課長は、震災前から石巻の街づくりを真剣に考え、マンガを通して石巻の街を発展させようと努力されてきました。

命を守ることが優先
 萬画館が立地する中瀬地区は北上川の中瀬にあり、津波の被害を受けて一階は全て浸水しました。津波の直撃を受けたにもかかわらず建物自体は残り、二階に展示している貴重な資料も流されずにすみました。大森課長自身は萬画館に来られているお客様を無事避難させた後も、萬画館に残りカメラ片手に写真を撮っていたそうです。

津波が来るかもしれないと思いましたか。

 地震に対する心構えはありましたが、津波に関して正直ここまでとは想定していませんでした。東北としてもチリ地震の時は5cmぐらいだったので、それのプラスアルファぐらいかなと…。ただ、津波がくる可能性があったので、お客様の安全な避難を行いました。
 実際に津波が来たときは、自分の命を守る事が優先なので、物に対する執着はありませんでした。それを感じたのは次の日以降でした。泥を掻き分けながら街を進んで行った時に、一瞬で今まで築き上げた物が流されてしまったとじわじわ感じました。

ベニヤ板に自然とサインや応援メッセージ
 石ノ森萬画館の修復が急ピッチで進められています。全国からの数多くの応援メッセージが寄せられて、一歩ずつ復旧に向けて進めてきたこの1年半。いよいよ萬画館再開が近づいてきたことを受けて、その心境を聞いてみました。

萬画館が復旧に向かって進んでいる気持ちはどうですか。

 震災から500日以上経っていますが、その期間は長く感じました。どこから手をつけていいのか分からない状態でした。また、生活再建が優先される中、こういう施設は直接生活に影響しないため、修復が進んでいる時でさえ萬画館に予算をかけるのはどうかという悩みもありました。
 そんな悩みもあり、どうしようもなくて前がみえない時に、ただ、それを支えてくれたのは全国のファンでした。「萬画館がこれだけ残ってるんだから後世に残して欲しい」と言うメッセージや、入口を塞いでいたベニヤ板にサインや応援メッセージが自然と書き込まれていました。全国から石巻に何千、何万という方が訪れ、前へ進んで行く原動力を私たちにくださいました。訪れた方が『自分も何かできるのでは』と思って頂き、そういった輪が広がればまた違った石巻になるのではないかと思います。

萬画館再開に向けた思いはどうでしょうか。

 石ノ森先生は「マンガというのはよろず画でなんでも表現できる媒体だ」と言っていました。一人ひとりがなんでも表現できるというマンガを活かして、石巻発展のために力を合わせればいろんなことができると思います。
 ここに萬画館があって、この中瀬という地域に人が集まって何かができれば、被災地と呼ばれる場所からいろんな可能性が出てくると思います。それが石巻だけではなくて、他の被災地にも元気を与える事ができればと思います。そうした色々な繋がりで、今まで以上の展開をみなさんと一緒に楽しみながらしていきたいです。

海への感謝、そして、共生共存できる街へ
海と共に生きる、自然と共に生きると力強く語っていた大森課長。
萬画館を通して、石巻を元気にしようとする熱意が伝わってきました。

車のテレビCM(石巻編)を見ましたが、それと同じ気持ちでしょうか。

 CMのように”ばかやろう”という気持ちもあるのですが、それと一緒に海に対する感謝の気持ちもあります。石巻自体は海で栄えてきました。
 津波など自然が牙をむく時もありますが、それ以上に海の恩恵を受けている部分もあります。今後萬画館としては自然を活かしながら、共生共存できるような町というのを後世に残していければと思います。

海と共に生きるということでしょうか。

 そうです。自然と共に生きるということです。石巻は自然豊かな町なので、これを生かさない手はないと思います。色々な方が石巻に訪れていますし、全国の方々から注目いただいています。そんな方々のお知恵を拝借しながら、今後石巻を賑やかに、また復興に向けて一歩ずつ進めていければなと思っています。

再開したら必ず来ます、遠くから来ますという声があります。再開後には萬画館のどんなところを見てほしいですか。

 萬画館がここまで復旧できたのかというところも見て欲しいですが、この石巻に暮らして復興に向けて頑張っている人たち全員を見て欲しいと思います。
 現在、石巻ではボランティアの方や地元の方、行政の方も含めて石巻全体で復興に向けて頑張っています。
 萬画館が何らかの形で石巻の元気につながり、石巻を訪れてきてくださるきっかけになれば、萬画館が再開する意味があるのではと思います。

最後に応援してくれた全国のみなさんへのメッセージをお願いします。

大森課長の萬画館に対する思い、石巻に対する思いがいっぱいのインタビューでした。どんなに大変な苦労をしていても、その顔はまっすぐに前を見つめて、そして笑顔を絶やさない方でした。

今頃、大森課長は忙しい日々を送っていると思いますが、萬画館再開イベントでは、きっと最高の笑顔をみせてくれるのではないでしょうか。是非、萬画館へ、そして石巻へお越し下さい。

2012年11月17日(土) 石ノ森萬画館が再開(ReOPEN)します。
震災から約1年8ヶ月、『幾多の試練を乗り越えて全ての想い、ここに集結!!』というメッセージ通り、多くの支援や応援を受けてようやく再開することが決まったそうです。萬画館、そして石巻市へ行って、復興の軌跡を体験してみてはいかがでしょうか。(2012/11/5追記)

取材日:2012/8/31 場所:石ノ森萬画館

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