みやぎ復興ツーリズムガイド

必ず亘理町が復興・復活すると私自身信じております

街の声・笑顔 ~震災語り部の会ワッタリ代表 菊池会長~

必ず亘理町が復興・復活すると私自身信じております。

2013年4月、亘理の荒浜地区で、震災語り部の会「ワッタリ」が本格的な活動を始めました。組織の立ち上げや、ガイド研修、ガイド内容の検討など、手探りで始めた語り部の活動が、ようやく実を結びました。2013年7月現在、震災語り部の会「ワッタリ」には数多くの依頼が寄せられており、予約もほぼ満杯状態が続いています。
 震災語り部の会「ワッタリ」代表の菊池さんは、荒浜地区まちづくり協議会の事務局長をされており、震災で大きな被害を受けた荒浜地区を少しでも盛り上げようと取り組んできました。言葉で表現できない程の荒浜地区の惨状と大津波を体験したことで、語り部代表を引き受けることに悩んだこともあったそうですが、今も、これからも亘理荒浜の復興を心から願っていました。
震災語り部の会ワッタリ

震災語り部の会が結成された目的と概要を教えていただけませんか。

菊池会長 震災語り部の会「ワッタリ」ができた時はですね、仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(以下、DC)に合わせて、亘理町商工観光課の主導で『このような語り部の会を結成したい』という要望がありました。たまたま私が荒浜地区のまちづくり協議会の事務局長を担当しており、しかも大震災の被災者であることから、白羽の矢が立ったのです。
 ここ亘理町では、震災前から亘理町の観光をガイドする会が組織されており、その方々に震災語り部へ移行してもらい、昨年の8月頃から本格的に準備に入りました。今年の4月からDCに合わせて亘理に来られたお客様をお迎えして、「震災の時はどのような行動をとるか」、「自主防災の大切さについて」などのお話をしながら語り部のメンバー14名が地区内を案内しています。

震災語り部の会の名称になっている「ワッタリ」という言葉がとてもユニークで気になります。その語源や経緯など教えていただけませんか。

 昔のことに詳しい方は沢山いらっしゃると思うのですが、私が聞いた範囲では、随分昔からこの辺に住み着いた方々が阿武隈川を渡るときにこの地域のことを「ワッタリ」と呼んだり、川を渡ってきた人達を「ワッタラ」と呼ぶなどいろいろな説があります。また、阿武隈川を挟んで行ったり来たりすることに「ワッタリ」という言葉が使われていたようなんですね。それを我々の会で紹介してくれた方がいまして、そういうことであれば“亘理”の発音の仕方が違うけども、「ワッタリ」という名前にしようと決まりました。

資料作りが非常に難しい。何度もビデオや写真で研究しました

実際に結成してこれまでの間に、定例会や研修、現地視察などを行ってきたと思うのですが、どんなことが大変だったか教えてください。

震災語り部DVD 震災状況を説明するための資料作りが非常に難しく、どの程度紹介したらいいか、どういうものがいいかと月一回の定例会で検討しました。最終的にはDVDを作って映像を流しましょう、それから写真も紹介しましょうとなったんですが、映像は非常に難しい部分がありました。荒浜の素材で、刺激の度合いが少ないもので、しかも被災の様子が確実に伝わるように作りたいので、メンバーの皆さんが何度もビデオを見て研究しました。そして出来上がったのが、10分程度にまとめたDVDです。

伝える仕事も我々がやるべき大事な仕事

防災に役立てたいと先ほどお聞きしましたが、震災語り部の会「ワッタリ」を通して一番伝えたいことは何でしょうか。

伝える仕事も大事な仕事 まず命の大切さですね。これは、お越しいただいた一人一人全員に是非伝えなければならないなと。別の地では、津波が来た時に「津波てんでんこ」という言葉があるようです。あらかじめ避難場所を決めておき、そこで落ち合うことだそうです。お互いに探し合ったり、様子を見たりしていると、二人とも命を失ってしまう。だからとにかく逃げる、自分一人でも逃げるという言葉が「津波てんでんこ」だと思います。それはこの地にも当てはまることです。 
 とにかく命を大事にしようというのがまず一つ。二つめは、こういう悲惨な震災の様子を我々の子ども、孫、その後の世代までしっかりと伝え、二度とこんな悲惨なことにならないための準備、心の準備も含めてやってほしいなぁと。それを伝えることも我々がやるべき大事な仕事だと思っています。

今後の語り部「ワッタリ」の活動において、他にどんな抱負をお持ちですか。また、今まで語り部ガイドを実施してみて、更にこんなことやっていきたいというのがあれば教えてください。

 亘理でも復興が進みつつあります。我々の活動が震災語り部にとどまらず、本来の観光ガイドの活動に移行していくことだと思います。そして、今回おいでいただいたお客さんに、復興した亘理町にもう一度おいでいただき、リピーターとして亘理町の良さを感じ取って欲しいなと考えています。

今、お話のあった観光の視点から、亘理の特産物や良さは何ですか。

亘理のイチゴ まず景色が非常に綺麗である点。それから温暖な地域という土地柄の良さ。それと漁港がありますので、海産物が非常に美味しいものがとれます。ですから、その季節に合わせた郷土料理を提供できるのがこの亘理町の良さだと思います。さらに海産物だけでなく、亘理のイチゴは「仙台イチゴ」として出荷され、全国的に高い評価を受けています。それからリンゴが大変美味しいんですよ。その他の野菜ももちろん美味しいのですが、このイチゴとリンゴの2つがおすすめです。震災で生産量も落ちている中、少しずつでも回復し、亘理町の特産品として再び全国の市場に出回ることを願っています。

近い将来、元の亘理町よりも素晴らしい町に蘇ると思います。

支援していただいた多くの方やボランティアの方々へのメッセージや、亘理町復興への想いなどはありますか。

 震災当時ですね。北海道から沖縄まで、それに海外からもボランティアに駆けつけていただいたのですが、我々もグチャグチャな状態でろくに御礼を言えないままで過ごしてしまったと反省しています。こういう機会をお借りして、ボランティアにおいでいただいた方々、それから支援していただいた方々に、本当に心からお礼を申し上げたいと思います。
 必ず亘理町は復活、復興すると私自身信じています。近い将来、震災前の亘理町荒浜よりも素晴らしい町に生まれ変わると思いますので、是非またおいでいただければありがたいと思います。ご支援いただいた方々、本当にありがとうございました。

最後に、震災語り部の会「ワッタリ」でDVDや写真と一緒に説明する際の実際のエピソード等があれば教えてください。

 メンバーの一人一人の基本はDVDを基にした形なのですが、その人その人の個性に合わせてお話をしています。大震災の実体験を思い出して数分間話せなかったり、涙を浮かべて話したメンバーもおります。お客さまは、語り部の話を聞いて多くの共感とお客さまご自身のつらい体験を重ね合わせ、目頭を押さえるお客さまをたくさんお見うけします。語り部の活動を続ける中で、時の流れが心の痛みを柔らげてくれることを信じ、伝える活動に取り組んでいます。

取材日:2013/8/7 場所:亘理町公民館

震災語り部の会ワッタリ インタビュー一覧

菊池会長

菊池会長

岡崎由紀子さん

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菅原ちづ子さん

菅原ちづ子さん

梯京子さん

梯京子さん

佐藤信三さん

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