みやぎ復興ツーリズムガイド

とにかく鳥の海が好きなんですね

街の声・笑顔 ~震災語り部の会ワッタリ 梯京子さん~

とにかく鳥の海が好きなんですね

震災語り部の会「ワッタリ」で活躍されている梯京子(かけはしきょうこ)さん。思い出すだけでも辛く悲しい経験を、一言一言丁寧に語っていただきました。震災を経験した事実を、後世に伝えていくことの大切さを感じました。

人間ってあんなにも悲しい声で泣けるんだろうか

震災の時の状況を教えてください。

梯京子さん 私は津波に流されました。「鳥の海」(※亘理町の太平洋岸に位置する汽水湖)のすぐそばに家があり、逃げ遅れました。津波に流されて、水の中で息ができなくて水を飲みました。流される度に何かにつかまって、どうやって屋根の上に登ったかよく覚えていないのですが、一晩をその屋根の上で過ごしました。寒かったです。辺り一面が水でした。後で考えてみても、たまたま単に運が良くて助かっただけなんです。
 そこで悲しい声を聞きました。隣の家の赤ちゃんが亡くなったんです。お母さんの悲しい声。人間ってあんなにも悲しい声で泣けるんだろうかっていうぐらい、夜遅くまで泣いていました。全てが流されてしまったので、生活とか何もありません。避難後、三日間は何も食べることができませんでした。
 そのような経験をしてから、私は一年くらい外に出ませんでした。出られなかったんです。人とも会いたくなかったのです。

夫がそんなことではダメだよと。やっと外に出られた

外に出ようと思ったきっかけはなんでしょうか。

 一年以上も外に出られない状態が続いた時、夫が『そんなことしていたらダメになるよ』と言い、私が長年趣味としてやっているスポーツに誘ってくれました。それから徐々に家から出るようになったのですが、夫と二人でしか外に出れなかったんです。誰か他の人とは一緒に行動することはできませんでした。

震災語り部の会「ワッタリ」に入ったきっかけを教えてください。

荒浜~復興の夜明け~ とにかく鳥の海が好きなんですね。今は隣町に住んでいますが、鳥の海や今は何もなくなってしまった自分の家の所を時々見に来ています。そして、近くにある「鎮魂の杜」(※亘理町荒浜に建立した慰霊碑)で手を合わせていた時に、こちらの震災語り部の会「ワッタリ」の方と偶然一緒になり「どうかしたんですか?」って私に声をかけてくれたんです。そこで先ほどの体験を話したところ、それを伝えてほしいと誘っていただきました。

自分の経験が役立つのであれば、少しずつ携わっていきたい

震災語り部の会「ワッタリ」に入ってどうですか。

鎮魂の杜 「鎮魂の杜」へ行くと、自分の家があった所が見えて思い出します。隣の赤ちゃんが亡くなってお母さんが泣いていたことや数々の体験を思い出すと、やはり今でも涙が出ます。自然と涙が出てくるんですね。ですから、今でも自分から進んで話したいとは思いません。
 でも、自分の経験が役に立つのであれば、少しずつこのような語り部の活動に携わっていけたらと思っています。

取材日:2013/8/7 場所:亘理町公民館

震災語り部の会ワッタリ インタビュー一覧

菊池会長

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岡崎由紀子さん

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菅原ちづ子さん

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梯京子さん

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佐藤信三さん

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